【1950〜2017年のデータが教えてくれる、「保有期間」と「勝率」の関係】
「投資って、長く持てば持つほど安全になる」
そんな話、聞いたことありませんか?
特に**「20年持てばマイナスにならない」**というのは、 長期投資の世界では広く知られている言葉です。
でも正直、私が初めてこれを聞いて下図を見るまでは
「本当にそんなうまい話があんの?」と疑っていました。
なぜなら、株式市場には暴落がつきもの。第2回でお伝えしたように、過去97年間で8回の大暴落が起きてきたわけですから…。
「20年持てば負けない」なんて、にわかに信じ難い話でした。
第3回のテーマは、知っておくと気長に投資と向き合える話です。
「20年持てば負けない」って本当?
これが本当なのかどうか、データで一緒に確かめていきましょう。
長期投資の世界では広く知られている表

出典:日経BOOKプラス「ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版>」
このグラフは、米国株式市場で1950年〜2017年の約70年間のデータを使って、こんな実験をした結果です。
「ある年に投資を始めて、◯年間持ち続けたら、年平均リターンはどれくらいだったか?」
これを「1年」「5年」「10年」「15年」「20年」「25年」の保有期間ごとに集計したものです。
縦の棒は、その期間でのリターンの幅を示しています。
棒が長ければ「結果に大きなブレがあった」、短ければ「結果が安定していた」という意味です。
棒の中の●が、その期間の平均値です。
これらが何を意味するのか、ひとつずつ見ていきましょう。
1年だけだと運次第で大きく変わる
まず、一番左の「1年」の棒を見てください。

最高時:年率+52.6%
最低時:年率-37.0%
つまり、1年間だけ投資した場合、運が良ければ資産が1.5倍になり、運が悪ければ4割近く減ってしまうこともあった、ということです。
これって、ギャンブルみたいな振れ幅ですよね。
もし「来年だけ投資してみよう」と100万円入れた場合、運次第で37万円失う可能性もあれば、52万円増える可能性もある。これでは「投資は怖い」と感じても無理はありません。
短期で投資をすると、結果が運に大きく左右される。これが、データで見たときの真実です。
5年10年と持つとブレ幅が一気に縮まる
では、保有期間を5年に伸ばすとどうなるか。

最高時:年率+28.6%
最低時:年率-2.4%最大リターンは半分くらいに下がりますが、最悪のケースも-2.4%まで縮まります。
さらに10年保有すると:
最高時:年率+20.1%
最低時:年率-1.4%「長く持つほど、結果が落ち着いてくる」のがハッキリ見えてきますね。
最大リターンは下がりますが、それ以上に最悪ケースが大幅に改善しているのがポイントです。
15年保有である「衝撃の事実」が起きる
ここからが本題です。保有期間を15年に伸ばした瞬間、驚くべきことが起きます。

最高時:年率+18.9%
最低時:年率+4.2%最悪のケースですら、年率+4.2%のプラスになっているんです。
つまり、過去70年のどのタイミングで投資を始めても、15年持ち続けていれば、必ずプラスのリターンを得られていたということ。
これ、よく考えると凄い事実ですよね。
ITバブルの頂点で投資を始めた人も、リーマンショック直前に投資を始めた人も15年待てば、全員プラスになっていたということです。
20年25年でもリターンは安定し続けた
15年でマイナスがなくなったあと、保有期間をさらに伸ばすとどうなるか。

20年保有:
最高時:年率+17.9%
最低時:年率+6.5%25年保有:
最高時:年率+17.3%
最低時:年率+5.9%
20年・25年保有では、最悪の場合でも5〜6%台のプラスで安定しています。
平均リターンは、保有期間に関わらずずっと年率+11〜13%程度を維持しているのも注目ポイント。
つまり、長く持てば持つほど、**「平均値の近くに結果が収束していく」**ということです。
なぜ長く持つほどブレ幅が縮まるのか?
「どうして保有期間が長くなると、結果が安定するの?」
そう思った方もいるかもしれません。
理由は意外とシンプルで、短期の暴落や急騰が、長い時間の中で「平均化」されていくからです。
例えば、1年だけ持っていた人が運悪くリーマンショックに当たれば-37%。でも20年保有していた人なら、その-37%の年も含めた20年間の平均リターンで見ることになります。
その20年の中には、暴落の年もあれば、+30%超の上昇の年もあったはずです。すると、激しい上下が打ち消し合って、最終的には平均値(年率+11〜13%)に収束していくわけです。
これは第2回で見た「暴落の後には必ず大きな上昇がある」というデータとも、しっかりつながっています。
結論
「20年持てば負けない」は本当だった
ここまでのデータから、はっきり言えることがあります。
「20年持てばマイナスにならない」
これはデータが証明している事実です。
※過去70年間の実績であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
正確には、15年以上保有すれば、過去70年のどのタイミングで投資を始めてもプラスになっていました。20年、25年と長くなるほど、その安定感はさらに増していきます。
「投資は長く持つほど安全になる」というのは、根拠のない言い伝えではなく、実際の70年分のデータに裏付けられた結論だったんです。
まとめ
「時間が最大の味方になる」
ここまでのポイントを整理します。
・1年保有では最大-37%もありえた(運次第で結果が大きく変わる)
・5〜10年保有でブレ幅が一気に縮小(最悪でも-1〜-2%程度)
・15年保有で最悪ケースですら+4.2%(マイナスがなくなる)
・20年〜25年保有では最悪ケースが+5〜6%で安定
・平均リターンは保有期間に関わらず、年率+11〜13%を維持
「投資が怖い」と感じるのは、短期の値動きを見ているから。
長く持つことで、その怖さは少しずつ消えていく。
時間そのものが、長期投資をする人の最大の味方になってくれる。
そして、これこそが新NISAでつみたて投資が「長期保有前提」で設計されている理由でもあります。制度の設計者も、このデータを知っているんですね。

次回予告
それでも暴落のリアルは知っておきたい
ここまで読んで、「なるほど、長く持てば負けないんだ」と感じて頂けたら嬉しいです。
でも、ここで終わりにすると、ちょっと物足りない。
なぜなら、実際に暴落が来たとき、私たちの資産がどうなるのかという「リアル」を、まだ見ていないからです。
過去50年のデータを見ると、米国株式市場には、平均-41%、最大-52%の暴落が何度も起きてきました。
もし今、あなたの資産が1,000万円あるとして、ある日突然それが500万円台になったとしたら、「心の準備」できていますか?
次回はそんな「暴落のリアル」と、それでも長期投資を続けるための心構えについて、データを見ながらお話しします。
第4回|「資産が半分になる覚悟、ありますか?暴落のリアル」 をお楽しみに!
第1回はこちら↓
第2回はこちら↓
第4回はこちら↓
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ほなまた!
※今回ご紹介したデータは過去70年間の実績であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な判断は読者ご自身でお願いします。